2025年06月25日

こころの4つの機能と箱庭

こんにちは、ふじいさちこです。

またしばらくぶりの投稿になってしまいました。
みなさま、お元気ですか?

さて、私の中でかなりアカデミックに、うれしい発見がありました。
そこで、ブログに載せたいと思ったのです。

ユング派分析家のフォン・フランツが、ユング心理学における「劣等機能」との付き合い方、そして人格の変容について語っている論文があります。
その中で、イメージの世界としての箱庭が、意識と無意識をつなぐ役割を果たしてくれるので、人格の変容(個性化)に有効に働くとしている箇所を見つたので、ここに紹介します。

ちょっと難解なのですが、お付き合いきください。

まずはじめに、ユング心理学に、こころの4つの機能という考え方があります。
思考・感情・感覚・直観の4つです。私たちは4つの機能全部をこころに持っています。
この4つの機能は、育った家庭の風土や、職業の選択などによってよく使う機能が出来ます。
それが、優越機能です。優越機能は意識しなくも、うまく働いてくれるで発達しています。
しかし、もっとも使っていない機能は、発達することができず劣等機能となっています。

心理的不適応を起こしている時は、こころの4つの中で使い慣れた優越機能は限界にきており、今までのように思うようには働かない状態になっていると考えられます。
つまり、こころがうまく機能しないので、危機に対応できないわけです。
そこで、優越機能の対極にある劣等機能を取り入れる必要に迫られてくるのですが、劣等機能は普段使っていないのでうまく使えません。
では、どうすればよいのかについて、フォン・フランツは述べています。
簡単に説明すると、以下になります。

私たちが苦手とする心の機能(劣等機能)をそのまま意識しようとすると、心が混乱します。
でも、夢や箱庭のような“想像の世界”を通じて、それと少しずつ向き合うと、無意識と意識の間に“中間領域”ができてきます。
そこでは、苦手だったもの(劣等機能)が自由に使える“心の道具”になっていきます。
このプロセスは、意識の上昇ではなく、リラックスして内面へと下降していく旅であり、心そのものが変わる人格の変容(個性化)につながります。

以上は、ふじいの解釈です

フォン・フランツのこの文章は、ミッドライフクライシス(中年期危機)からの脱却に、箱庭療法が有効に働くことを後押ししてくれています。

更に、興味を持たれた方は、7月末に出版予定の
『ミッドライフクライシス 50才から自分らしく生きる箱庭療法の勧め』
をお読みいただければうれしいです。